怪奇小説にご縁がありまして

吸血鬼ドラキュラ
吸血鬼カーミラ
キール博士とハイド氏
フランケンシュタイン
オペラ座の怪人
何となくストーリーは知っていても、きちんと読んだことのない小説たちを、読破しました
ロンドン進出を企むドラキュラが、何年もかけて、英語やイギリスの地理、歴史、経済まで身につけた、というくだりがあり…
フランケンシュタインにも、人間と仲良くしたい一心で、苦労して言葉を独学する、という場面があります
勉強熱心、努力家の怪人!!いじらしくも、愛すべき気質!!
醜く生まれたが故に、はたまた有り余る才能に傲ったが故に、不幸な人生を歩む羽目に陥った怪人たち
最近映画でお目にかかる、意味不明な破壊や殺戮を淡々とやり続ける、ミュータントたちとは、何と違うこと
あまりの一途さに、思わず親愛の情を感じてしまいます
ケータイが普及した現代では、ロミオとジュリエットの悲劇も、すんなり成立しづらい現状があるように、これらの怪奇小説も、現代にはそぐわない部分は多々あれど、作者の、怪人たちに注ぐ、温かい眼差しが感じられ、怪人が退治されてメデタシメデタシ…とは、どうにも思えない
一方、時を前後して読んだのが、こちら
オスカー・ワイルド
ドリアン・グレイの肖像

これは怪奇小説ではありませんが…
何とも不思議な怖さを湛えた作品です
一人の人間の裏表を余すところなく描き、考えさせられます
あなたや私の、ごく普通の温和な市民の、内なる欲望が、何かのきっかけで暴走すると、怪奇小説ばりな事件に発展するのかも…