おやゆび姫のシンデレラ・ストーリー 5

何人もの取り巻きに囲まれ、引く手あまた、「そうねぇ…今日は誰にしようかなぁ」なんて、余裕の発言の毎日
私のオンナとしての絶頂期!!こんなにモテたのは、後にも先にも(?!先は有り得ない!!)ありません〜あまりにも早すぎたのは、神様の手違いなんだか気まぐれなんだかはわかりませんが〜幼稚園時代から小学校の低学年まで、の話です
遠足やお遊戯会の写真では、男の子たちの真ん中で笑ってるものばかり
女の子のお友達はいるの ?と、母は心配したものです
お人形ごっこやらママゴトなど、<付き合い>でやったことはありますが、何が面白いんだか、正直まるで理解できず、野山を駆け回って基地作りをしたり、マグマ大使ごっこ〜今で言うところの、戦隊ヒーローもの〜に夢中でした
一緒に家まで帰ろうと、名乗りを上げるナイト園児たちを前に、件の発言
お気に入りの男子〜コウちゃん〜がいるものの、女王たるもの、皆のものに公平でなくちゃ…と、一見公正にみえるジャンケンをさせるも、「Aちゃんはグーだして」「Kちゃんはパーね」などとこっそり指令をだして、裏工作を計れるだけの悪知恵は、幼少期より備わっていたらしいです
ある時、負け続きのAくん、女王の言いつけに背き、見事勝利
「やっばり今日は負けた人と帰る!!」と憤慨しつつ翻意した幼き女王は、人生初の裏切りを体験したのでした
「あ〜っ!!」
想定外の勝負の結果を目のあたりにした時の驚愕、怒り、羞恥(バレた!という感覚ですね)は、今でもありありと蘇ります
その後コウちゃんとは、「僕たち(私たち)オトナになったらケッコンするの♪ねぇ〜っ!!d=(^o^)=b」と宣言しては、幼稚園の先生やお母さんたちを驚かすやら笑わせるやら
「和子ちゃん、ケッコンするってどういうことか知ってる?」との先生の質問に、「うん、知ってるよ!一緒のおうちに住んで仲良くすることでしょ!!」と胸を張って答えた…という武勇伝は、以後何度も聞かされることになります
さて、名子役が成人してからは大抵、あの人は今?的末路を辿るがごとく、その後の私は鳴かず飛ばず〜幸いにして、必ず慈悲深いナイトが一人は、そばに控えていてくれておりましたが(なぜかみんな、名前はコウちゃんばかりでした)…そんな事とは知らず、絶頂期の栄華を知る母は、山登りに明け暮れる花の女子大生のハズの娘に、「よそ様のお嬢さんは都会に出て綺麗になって帰ってくると言うのに…お前は真っ黒で乞食みたい!お化粧くらいしなさい〜!BFはいるの?」と、またまた心配する羽目に…
つくづく親不孝なワタシです
中学3年で転校して以来、連絡の途絶えていたコウちゃんと、大学1年の夏休みに偶然、山の中で再会!関東と関西の大学のワンダーフォーゲル部が集う、体育会系合コンみたいなイベントの時です
「カコちゃん!」と、昔の愛称で呼び止められ、振り向いた先にある顔は…「コウちゃん?!」
マグマ大使ごっこが大好きだった二人が共にワンダーフォーゲル部に入っていたとは…頷ける選択ではありますね
コウちゃんから、残暑見舞いを兼ねたハガキをもらいましたが、当時、別のコウちゃん(後に私の夫となる人)と付き合っていた私は返事を出さず…あの時、返事を出していたら、人生の歯車はどう回っていたのでしょう?