今宵の美酒はヴァイオリンの音色

念願の、本場ジプシーミュージックを味わってきました
日経ミューズサロン〜良心的価格で、上質の演奏会を提供してくれる企画です
昨夜の出演者は、ハンガリーのジプシーミュージシャン、ラースロ・ベルキとジプシー楽団

ピアノのような、お琴のような、不思議な音色のツィンバロム
クラリネット?いえいえ、その名はターロガトー
ベース、ヴァイオリン2挺が加わって、ボリュームもありながら、親しい友人宅に招かれたような、親しみを醸し出す、温かなコンサート
ラースロ・ベルキは、ヴァイオリンを弾きながら生まれてきたのかも?!と思ってしまうほど、ごく自然に自在に操るさまに、見とれました
ヴァイオリンがウクレレに見えてしまうほどに、"森のくまさん"のような恰幅の良さ、表情豊かに謳いあげるヴァイオリンの音色の、なんと清らかで優しいこど…!!
楽器も、ストラディバリウスなんぞではない、のだと思いますが、ブラームスサラサーテも、ジプシーテクニックでアレンジした"さくら"も"荒城の月"も、何とも楽しげに、すらすらと見事に弾きこなしてしまいます
もう、これは血なんだな
ヴァイオリン弾きの、ジプシーミュージシャンの血なんだ〜
音大を出て、コンクールを制覇して、という流れとはまったく別の系譜なのだ…と、思い至りました
世の中は、なんとバリエーションに富んでいて、懐が深いのでしょう
ディニク作曲の"ひばり"は圧巻でした
ヴァイオリンではなく、それはまさに"鳥"でした
ひばりを追うかのように目線を徐々にあげながら弾く、ラースロ・ベルキ
会場は感嘆のため息と、温かい笑いに包まれました

休憩時間には、ホワイエでCDにサインしてくれる、気さくなメンバーたち
もちろん私も、我がヴァイオリンCD愛蔵品の新たな一枚に、サインをいただきました
「ブラボ!!」と「ありがとう」しか、伝える言葉を持たないのが、もどかしいよ…