白鳥になりたい

日曜日は上野にお出かけ
モーリスべジャール作品の、ある国内バレエ団の公演です
このバレエ団とは、なかなかご縁がなく…チケットを買っていたにも関わらず、過去2回、行けず仕舞い
初回は野外公演が雨天順延となり、振替日には仕事で行けず、チケットはジャズ仲間に差し上げました
2回目は、公演当日に何と、台風直撃でこれまた涙をのみ〜
3度目の正直で、やっと、めでたく観賞できました
昨年1年間、一流、超一流バレエ団の公演を、死ぬほど観賞したおかげで、目だけは肥えてきたワタクシ
醜いアヒルの子が目についてしょうがない
コール・ド・バレエでも、全員が高いアラベスクできっちり静止できる、マリインスキーを知ってしまったら…
両足が地面についているポーズをしばしキープするだけで、何故グラグラ、フラフラしちやうの??
片足バランスで親指が浮いちゃうなんて、ナシでしょ?!
それはそれは、チェックの厳しいこと
決めポーズのアティテュードの軸足がて・て・て…と、移動しちゃった人を見た刹那は「降格!!」と内心宣告を下してしまいました
そんな姿を舞台で晒すなんて、恥ずかしい
これが日本を代表するバレエ団の実力だなんて、情けない
出演者本人も、指導教官も、舞台監督も、観客も…そうは思わないのかしら?
ソリストだけが素晴らしくても、感動は得られないのです
そんなこんなの2時間ばかり〜
フィナーレは、負けても負けても見放さない、タイガースファンのように、拍手と、ブラボーの掛け声が途切れることはありませんでしたが…
国内バレエ団の公演で感じる、この"内輪"な雰囲気
それは、小さい時から努力を重ねてきている姿を応援する、ご家族や友人の愛情の賜物なのでしょう
バレエのテクニックが、いかに難しいものかは、私にもよく分かります
パッセでルルヴェ、で苦労しているレベルですから
でもね…学芸会ならともかく、結構な料金をいただいてのプロの公演
ダメなものは駄目、という視点がなければ
国内バレエ団の公演時も、海外の一流どころの公演の時のように、「お手並み拝見」的な、良い意味でのプレッシャーを、出演者に与える空気が会場を満たしますように
それこそが、観客からダンサーや、バレエという舞台芸術に贈る、本当の愛情だと思うから
ダンサーの皆さんには、安易なブラボーではなく、本物のブラボーに値する舞台を、期待しています
知れば知るほど、やればやるほどに、その難しさに直面させられるダンス
私は我が身に置き換えて、地道に精進しよう、と改めて思いました
今の私は、お話にならないレベルの、"醜いアヒルの子"
おとぎ話とは違って、時間が経てば白鳥になれる、いつの間にか白鳥になってた、なんてことは、あり得ない
こんな自分はイヤだ!!
心底、イヤだ!!