お懐かしゅうございます

NHKの朝ドラが「マッサン」に決まった、と知った時〜
このストーリーは知ってる
遥か昔に、誰かの本で読んだ
と、すぐに分かったのですが、それがいつ、誰の作品であったのかは、全く思い出せずにおりました
それなのに、ヒロインが塩辛を絶妙に作った、などという、テレビでは放映されていない細部のストーリーが甦ったりして、何だか不思議な気持ちでおりました
先日行った本屋さんで、その謎が解明

ああ!!森遥子さんの本だったんだ…
「望郷」というタイトルは、すっかり忘れていたけれど、こんなに長く心の奥底に留まるストーリーテラーは、遥子さんしかいないじゃないの…
と、不意をつかれ、懐かしさに包まれ、しばし呆然と佇みました
彼女が亡くなり、本屋の書棚から彼女の作品が消え、若い読者は彼女の存在すら、簡単には知り得なくなっているんだな…と、寂しい気持ちで書棚を眺めたのは、いつの話だったか
私の好きな作家が亡くなったり、話題作が出なくなると、さっさと書店から姿を消す
次々に現れる新しい作家たち
カレンダーをめくるように、平積みされた本の表紙が入れ替わる
情報が大量で、ますますスピードが増す世情を反映してのこと、致し方ないのは承知の上ながら…
素晴らしい才能が、なかったことにされる
反面、無記名の、悪意に満ちた無責任な意見がネット上で闊歩する
こんな状況はマトモじゃない…
アナログ人間の嘆きです