おやゆび姫のシンデレラ・ストーリー 4

誕生から中学3年生の10月まで暮らした町は、大阪と神戸の真ん中あたりから、やや山側に入ったところにあり、重賞レースをやる有名な競馬場がありました
片や、芦屋とまでは言わないまでも、立派なお屋敷が立ち並ぶ山の手の住宅街やゴルフ場、住宅整備公団の集合住宅群、昔ながらの農家、田畑を埋め立てた振興住宅街やマンション、競馬場や工場のある工業地域など、狭い町ながらバラエティーに富んでいました
幼稚園、小学校時代に、いろんなクラスメートの家を行き来する中で、それぞれの家庭環境や生活レベルの違いを実体験できたのは、幸せなことだったと思います
親が競馬場で働いている家庭の子も多かったせいか、小学校の授業で厩舎を見学に行ったり、私立大学の馬術部が競馬場の一部を借りて練習している様子を目にしたりと、実物の馬を見る機会もあったため、私にとって馬は割に身近な存在であり、また憧れの対象でした
動物の中で一番美しい…長い首と四肢のバランスが絶妙で、長いたてがみと尾をうち振って駆ける姿は素晴らしく、長い睫に縁取られたつぶらな瞳の愛くるしいこと
競馬開催の日は目つきの悪い、すさんだ感じの男の人達がどこからともなく、ワンサカと押し寄せて来るのが怖かったし、駅前にはゴミが散乱して町が汚くなるので、競馬場があるのはイヤでしたが、子供時代に馬への愛着や憧れが芽生えたことが、やがて私をベリーダンスに引き合わせることになるのでした