ジレンマの果て

地震前に注文していた品々が届きました
化粧品やヘアケア商品などなど…被災地の状況を思うと、結構な贅沢品たち
金箔入りのゴールドのクリームアイシャドウ〜しかしながら、ベリーダンサーである私にとっては、必需品に属するもの



買いだめはいけない
と、ごもっともな理屈は頭では理解できるけれど
現実問題として、お店では空っぽの棚がならぶ光景が数日続き、目減りしていく食料品を前にして、泰然としていられるほど、肝が座っているわけではありません
息子に食べさせなきゃ!!
母親としての本能が先立ち、何とか食料品だけは確保したいと、目が血走ります
「母さん、バカじゃないの?食べ物はあるからね!滞ってるだけだからね!なくなるハズ、ないじゃない」
息子にはバカにされるも、そりゃあ、守るものがない、気楽な立場のあなたに言われたかぁ、ありませんよ
こんな時、個人商店の方が、数は少ないながらも入荷があるのか、卵と牛乳が棚に並んだところに行き当たった時には、心底有り難い!と思いました
自宅用、Kちゃんちの分、Iちゃんちの分…などと、卵を4パック
これも買い占め?!になるのかな
被災地の情景に心痛む一方で、お米や卵が買えてホッとしたり、パンが食べたくなる自分がいて、どちらも正直な、ありのままの私です
走っている車の中から、あるレストランの店先に「自家製パン販売」の紙切れを目敏く見つけた私に、「本っ当に、よくそういうの、見つけるよねぇ」と、悪友くんは感嘆していました
何とでもおっしゃい!!ああ、パンだパンだ、嬉しいよぉ(>_<。)



我が田舎町には不釣り合いな、おしゃれなイタリアン・レストラン
きれいにテーブルセッティングされているものの、店内にお客様の姿はなく…「お食事はよろしかったですか?」と聞かれ、申し訳ないと思いつつも、パンだけいただいて帰りました
レストランも大変だなぁ…こういう、こだわりの贅沢なお店ほど、打撃が大きいだろうな
同じく"贅沢な楽しみ"に属するベリーダンス
この1週間、停電や列車の運休で仕事にならず、収入的に大打撃な私には、他人事とは思えません
不謹慎かと、若干後ろめたくはありながら、姉妹店のケーキ屋さんで、我が家の分と、悪友くんちにも差し入れとして、美味しそうなケーキを買いました
「なるべく普通の生活をするよ!!そうでなきゃ、潰れちゃうお店がたくさん出ちゃうモン」
都合のいい理屈だね、と呆れながらも悪友くん、その日夜の計画停電明けには、居酒屋に付き合ってくれました
ラマダン明けのアラブ人の気分や如何に?
もっとも、そんなに禁欲もしてないけれど
日赤に、義援金を託しました
私の月収の1割ほどの、実にささやかなものですが、人一倍、欲望の強い、今の私に出来る精一杯です
息子どもを食べさせ、着させ、教育を受けさせて
自分の欲望を過度に押さえ込むことなく
命を張って原発事故の対応をしてらっしゃる方々、被災者のケアに連日あたっておられる、医療関係者の方々、復旧に全力を尽くす方々…
本当に頭の下がる思いです
遠く離れた地で、愛する人々との日々を送れていることに感謝しながら、私は私の選んだ職業を恥じることなく、誠実に貪欲に働いて、たくさん稼いで、また寄付しましょう
花々が、命尽きるまで、己の営みをそれぞれのやり方で、粛々と送っていくように、私も私の人生を、私らしく歩み続けましょう