ジェネレーションギャッブを感じる時

達者な作家さんだな
楽しませてもらい、感心するものの、物語と私との間に距離がある
私は現実の世界に留まっていて、外から物語を眺めている感覚
伊坂孝太郎しかり、道尾秀介しかり

写メは、「凄く売れたホンだよ」とFが貸してくれた道尾さんの作品
「ジェノサイド」が文庫本になってから買おう、と企むセコい私
エアコンやゲームやポテチが、物心ついた時点であるのとないのと
スタンダードが違って当然ですよね(ポテチは関係ない、か)
シェイクスピアの名作「ロミオとジュリエット」なんて、ケータイが日用品の世代には「あり得な〜い、意味不明?!」なお話、理解しろと言う方が、無理な気がします
私にとってはオリビア・ハッセー主演の映画版は、高校時代に仲良し女子10人で見に行った、懐かしい作品です
(友達はみんな泣いてましたが、醒めてる私はロミオのおっちょこちょいぶりに「毒飲む前に、ちゃんと確認しろ!」と憮然としたもの〜可愛くない女子高生でしたね)
今私が、ポテチ世代〜もとい、パソコン世代の作家さんの作品を「あり得な〜い、変でしょそれ」と感じる主な理由は、作中人物の心理が謎な点(タフなのか、鈍いのか、オトナなのか、全くわからん)
感情移入できない、想像すらつかない、従って一体感を感じるのは無理
ストーリー展開が多分にホラー気味、或いはハリウッド映画なみに、主人公が超人だったり、超常現象のオンパレードだったりで、過激だし奇想天外そうだけど、実はどこかで「あ〜それ、知ってる」と感じてしまう点
読者サイドも、豊富なエンターテイメントのおかげで、経験豊富・知識豊富になってしまっているのも、小説で感動しにくくなっている一因かも知れません
面白いけど、あ〜あれ系ね、みたいな反応になってしまう
"あり得ない"の基準が、世代間で、そもそも大幅に違いますし
今回の芥川賞、「ばかみたいな作品ばっかり」と言って石原慎太郎都知事が選考委員を辞めた、と言う記事を読み、思わず笑ってしまいました
もちろん受賞作品はまだ読んでいませんが、その発言は「凄く分かる!」気がするのですよ
やはり私の高校時代に、芥川賞を受賞して大いに物議を醸し、この受賞あり?なし?と、文学界を越えてまで話題沸騰した、村上龍さんその人が、現在、選考委員メンバーのひとりと聞くと、ますます゜時代゜を感じてしまうなぁ
そのうち、龍さんに「ばかみたいな作品ばっかり」と言わしめる作家たちが生まれてくるのでしょうか?