上野の美術館にて

玉三郎さまのシネマ歌舞伎を見た後、ジャズダンスレッスンまでの空き時間に、上野の国立西洋美術館に行ってきました
この週だけで、上野には、バレエ観賞を含め、3回通ったことになります
特別展示はユベール・ロベール展
何だか語呂合わせみたいな…もとい、韻を踏んだお名前の、画家・庭園デザイナーとして、大成した方だそうです
淡い春の夕暮れを思わせる、霞みがかった青空に薔薇色の雲の浮かぶ風景画
カブリッチョ〜奇想画、と訳されていましたが…風景画や風俗画に、時代も場所も異なるローマ時代の遺跡を描くという、不思議な手法
カルバッチョだかパックンチョだかと、混同してしまいそうで、面白いですが
サンギーヌ〜酸化鉄いりのチョークで描かれた絵
赤色が温かで、柔らかい
絵筆やチョークの軌跡を眺めていると、「几帳面で穏やかな人だったのかな」と、画家の人柄に思いを馳せます

常設展は多種多様な作品群と、ロダンの彫刻多数
ロダンの「考える人」を初めて見られ、感激〜永らく名前だけは良く聞いていたので、「やっと会えたね」な心境でした
国立西洋美術館は、日本の青年たちに、西洋の優れた芸術に触れて欲しい、との願いから松方氏が私財を投じて収集した美術品を展示するために造られたとのこと
戦争で焼失したり散逸したり、没収されたりの憂き目にあいながら、生き残った美術品がフランス政府から日本に返還されたそうです
価値ある美術品の数々を、返してくれたフランス政府の太っ腹、個人でこれだけ(実際は何倍かだかになるやも知れません)の品々を収集できた松方氏の精神と懐具合の太っ腹に、参りました
芸術にはパトロンが必要なわけですね
時代や国が違っても、変わらぬ人の営み〜ひとりひとりの存在はちっぽけでも、脈々と続く、その延長線上に、紛れもなく、自分の存在もあることを、感じたことでした