トラックでお花見

土曜日は午後から鎌倉へお出掛け
円覚寺で毎年開催される、骨髄バンク支援チャリティーコンサートのお手伝いに便乗して、素敵なピアノ三重奏も観賞させていただきました
ステージにする床材の運搬のため、トラックの助手席に乗って、春の街並みを楽しみながら
仏像さまが鎮座まします方丈の一角にステージを設置した会場は、びっしりと200人余りの聴衆で埋め尽くされておりました
出演者の3人の演奏家に始まり、ピアノ、お花、ステージの床材、会場の円覚寺に至るまで、みんな無償や、安価での提供です
スタッフもボランティアさんが大勢いらっしゃり、老若男女がかいがいしく、たち働いておられました
昨年の震災後の自粛を経て、今回で20回目を迎えるそう〜本当に長い間、毎回大盛況で続くなんて、素晴らしいこと

亡くなった夫は白血病患者で、骨髄バンクで提供者を待つ身でした
時には、まだ小さかった息子たちまで連れて、私たちもさまざまな行事に参加したものてした
結局、骨髄バンクでは提供者が見つからぬまま、夫の病状は進み、やむにやまれぬ選択で、当時小学5年生の長男が、不完全一致な骨髄ながら提供して、骨髄移植に臨んだのでした
体重差のある子から親への、不完全一致な骨髄提供〜日本では初めて、海外でも数例の先例があるだけの時代でした
移植は成功したものの、術後のハードルをクリア出来ず、半年後に夫は旅立ちました
私と息子たちにとって、重すぎる経験…
親身になって色々お世話くださったボランティアの方々とも、骨髄バンクボランティア活動にも、長らく触れることができませんでしたが…あれから、もう16年が過ぎました
先日、夫を無事に自宅近くに弔い、穏やかな気持ちでクラシックチャリティーコンサートの末席に連なることが出来、漸く私の、長すぎるトラウマも過去のものとなりました
広々した境内には、見事な椿や、桜が咲いており、冬さながらの寒風の中、逞しく春を謳歌しておりました
耐え難い苦しみや理不尽な体験、至福の喜びや極上の美が同居するこの世を、楽しんで生きていく勇気を、たくさんの人が掴めますように…