フジコさんのピアノと踊るオーケストラ

イングリット・フジコ・ヘミング&北東ドイツフィルハーモニー管弦楽団のコンサートに行ってきました
私の父はクラシック音楽、わけてもベートーベンが大好きで、次男坊は大学時代はオケでパーカッション担当でしたが…、私はクラシックにはとんと興味が湧かずにおりました
今年に入って、バレエに開眼、舞台を支え、盛り上げるオーケストラの魅力にも開眼した矢先、フジコさんの自伝に廻り合い、初めて自ら出かける、クラシックコンサートと、相成りました
フジコさんのピアノは、無心なピアノ〜そんな印象を受けました
一音一音が、はっきりしていて、力強くも澄んでいる
演奏者の人柄や生きざまが、現れるのだろうな…と、フジコさんの自伝を思い返しながら、素晴らしい調べに身を委ねました
父のおかげで、よく聞き知っている曲が多かったのも、クラシック初心者の私には、幸いでした
(2部のメインはベートーベンの皇帝でした)
共演するオーケストラがまた、元気のよい生き生きした演奏を聞かせてくれて、2時間近いコンサートも、あっという間にアンコールに
「私も大変、大変、疲れてきましたので、この辺で帰らせていただきます」と退場するフジコさんを、万雷の拍手が追いかけます
絶妙のタイミングで戻ってきた指揮者の、軽快なタクトで奏でる、ブラームスのハンガリア舞曲5番
オーケストラが踊る!!
舞踏会の会場を眺めているようでしたよ
それぞれに好みがあることと思いますが、今宵のコンサートは私の「好き♪」なコンサートでした


フジコさんは絵も得意
自伝から、私のお気に入りの2枚を…


会場では絵はがき5枚セット1000円も販売していました
私は"魔女セット"を購入
ネコちゃんの"ごろにゃん"セットが人気でした

演奏を楽しみながら、ふと、「フジコさんはガガさまと似てる」と思いました
衆人の前であろうと、裏も表もなく丸ごとの自分でいられるところ
自分の願望に忠実で、努力を惜しまないところ
表れ方は違っても、芯の部分に通じるところがあるような…
クラシックピアノのソリスト=ロングドレスで、背筋をピン!と張って登場、と、なんとなく想像していましたが…
乗馬スタイルを思わせる出で立ちで、のそのそ(失礼!)とピアノに向かい、練習でもするかのように、ごく当たり前に弾き始めるフジコさん
ちょっとピアノの調子をみてみようかな?くらいの雰囲気で、大層な身振りもせず、指先が鍵盤の上を滑る、触れる、戯れる
親しみやすい風貌から一変、ピアノに触れたとたんに、会場を満たす"ただ者ではない"オーラ…
クリアな音色が、まだ耳に残っています