不思議な出会い

朝、ゴミすてに行ったら、パタパタ…と、危なっかしい羽ばたきで、何かが目前を横切りました
まだ小さいひなが、グレーチングにはまってしまいそうな様子で、やっとこさ自転車の車輪に掴まっているのでした
「危ない…」
咄嗟に手を伸ばすと、何の疑いも持たぬ、つぶらな瞳をパチクリさせつつ、私の掌にすっぽり収まってしまい…
野鳥のひなだとは思うものの、何のひなだか、分からない
雀じゃないし、つばめでもない〜グレーを帯びた翼に、お腹と嘴は黄色
鳴き声は「ギギギ!!」とかなり鋭く、あまり聞いたことのない声です
喉を撫でてやると、気持ち良さそうに目を閉じる
あまりの可愛さに感激しつつ、さて、この子をどうしたものか?と思案にくれます

親鳥が来るかな ?
とりあえず、庭に放し、回りにアワを撒いて、離れたところから様子をみることに
我が家の常連の雀たちが、たくさん集まって来、見かけたことのない、グレーの小鳥もやってきました〜セキレイでもなく、文鳥に似てるけど??〜親鳥とおぼしき、その鳥は、すぐ飛びさってしまい…
チビ助は?というと、テッテッテ…と隅っこに逃げて行ってしまいました
雀たちが怖かったのかな?
様子を見に行くと、レモンバームの茂みに隠れているんです〜もうっ、本当に可愛い!!
結局、市役所の環境保全課に問い合わせしたら、「親鳥が近くにいるはずだから、ひなはそのまま、発見場所にそっと置いておくことが原則」とのアドバイスでした
「車に轢かれちゃう…野良ネコに食べられちゃう…」と心配でたまりませんが、野生の子に、人間が手を出すことが良いとは思えないし〜ましてや、チビ助は健康な子ですし、野鳥を私が飼うことも出来ないので
何があろうと、この子の運命、と思い、発見場所に返しに行きました
「ギギギ!!」
チビ助の鳴き声に、親鳥の来てくれることを願いながら、後ろ髪引かれる思いに蓋をして、帰宅しました
さて、夕方レッスンに出かけようと玄関を出たら、あの鳴き声が聞こえるではありませんか?!
ええ〜っ?
なんと、庭のど真ん中に、あの子がいるんです
また戻ってきたの?どうやって?
かなり距離もあるし、高い塀は、とてもチビ助に越えられるとは思えないのですが…
顎をなでてやると、じっとおとなしく私を見つめ返すチビ助
しかしながら如何せん、タイムオーバー、チビ助をそのままにして、出かけたものの、何だかキツネにつままれたような思いでした
帰宅は夜遅く、当然もういない、とは思いながらも、スーパーで小鳥のエサを買って帰り、懐中電灯で庭を探索してみましたが、やはりチビ助の姿はありませんでした
発見場所から私の庭まで、自力で来られるくらいなら、元気に育ってくれることでしょう
寂しいような、ちょっぴり安心したような、不思議な気分でした
さて、チビ助の写メを何枚か撮るうち、シャッター音に反応して、口を開けることを発見しました
試しにシャッター音を口真似してみると〜見事!!黄色い口を開けた、チビ助の写メが撮れましたよ♪
って、私も相当、物好きなヒマ人なのでした(笑)