弦の魅力


ピノキオのゼペットじいさん
たっぷりした白いシャツ姿の彼の、第一印象です
最初の曲〜一音ずつ、区切って弾くのは何故?と、不思議に思いましたが、残響を計っているのだと、すぐに合点しました
CDでの印象のまま、何て綺麗なヴァイオリン
指揮者もおらず、花束贈呈もない、家族のような、和やかな息の合ったアンサンブル
〜それもそのはず、クレメータ・バルティカは、彼が育てている、故郷の若手音楽家集団なのだから
本日の演目は、前半は初めて聞く、現代音楽
個性的な曲との印象が強いですが、私の好きな弦ばかりが20人ほども、一斉に奏でる音色には、鳥肌がたちました
あたかも、一本のヴァイオリンを大音量で聞いているような、滑らかな迫力で…
アンコールは、静かな穏やかなクレーメルの独奏と、マリンバも入った、楽しいピアソラの2曲
かつて貴族は、お気に入りの芸術家を、自分のサロンに招いて、自分のためだけに、その才能を楽しんだんですね
時には、作品の献呈を受けたり…
何たる贅沢な幸せなのでしょう!!
がさつな隣人たちに煩わされながらであっても、クレーメルの演奏を直に聴けて、本当に嬉しかったです