デザートフラワーを見てみたい

ソマリア遊牧民の家庭に生まれ、砂漠から着の身着のまま逃走し、長じてイギリスでスーパーモデルになった、ワリス・ディリーの自伝
「砂漠の女ディリー」
草思社文庫
以前、何かで読んだか、聞いたか…彼女の存在はおぼろ気ながら知っていましたが、実際に本に出会って読み始めると…
同じ時代の、同じ地球上にあるとは思えぬ程、あまりにも私の慣れ親しんだ世界と別物の出来事に、ぐいぐいと引き込まれ、あっという間に読み終えてしまいました
様々な生活条件が異なること、以上に、ワリスの強靭な精神力、忍耐力、時にはあまり誉められない手段をもいとわないほどの、強烈でストレートな欲望…に、圧倒されつつ、共感を覚えずにはいられない
彼女自身の数奇な運命もさることながら、女子割礼の撤廃を提唱する役割を、彼女が担うことになる…というのも、"運命"の存在を感じさせられます
計り知れないほどの苦労しかない、と見える生活で、泣き言ひとつ言わずに、いつも明るく頼もしいという、ワリスのお母さん
頭の下がる思いです
映画化もされているそうなので、是非見てみたいです